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  • [ コラム ]

バナキュラーな生活 社員旅行2022 Vol.4

バナキュラーな生活 社員旅行2022 Vol.4

柳宗悦が丹波布のために「民藝」という言葉を創造した、ということを旅行が終わり、静岡に帰ってきてから知った。目を閉じて、短い篠山滞在期間を思い返し「民藝」という言葉を反芻してみる。すると、低い響きを発しながらゆっくりと進む時間が耳の奥にかすかに残っていることに気づいた。

NIPPONIA デザート ©創造舎

 

民藝運動の父ともいえる柳宗悦は、京都の古物市である魅惑的な布に惹かれ、市で見つけるたびに購入していたという。それが丹波布だった。ある時、それを売手たちが「下手物(ゲテモノ)」と呼んでいることに気づいた。これは日常生活で使われる民器、雑器という意味らしい。が、柳は、その言葉が多くの場で誤用されることに違和感を感じ、それら工芸品の持つエッセンスを「民藝」と名付けた。

https://www.aozora.gr.jp/cards/001520/files/52187_46258.html

ショップ ハクトヤ @河原町通、妻入商家群 ©創造舎

丹波、民藝の代表の一つである丹波焼は、派手さはないが、土っぽい厚手の器は生活に寄り添ってくれる親近感がある。その焼き物の材料になる土は、周辺の山と田から採取されているという。そして、その土を加工、混合しているのは丹波立杭の杯土工場という場所、一か所のみ。丹波焼に使われる土はここで一括生産され、窯元に供給されて、形を得、焼成されて器になる。丹波焼の器は、丹波の大地から生み出されている。

https://nihonmono.jp/area/11758/

NIPPONIA 朝食 ©創造舎

一方、農作物である。丹波といえば黒豆が有名だが、それだけではなく、地域一帯では、有機栽培をめぐり多くの試みがなされているようだ。NIPPONIAでは、提供された野菜類が大地から焼成された丹波焼の器の上に、色彩豊かに、大きな余白の「間」を意識して盛り付けられていた。それがまた、美しい。

NIPPONIA サラダ ©創造舎

NIPPONIA パリパリな茄子の皮 ©創造舎

 

その土地に生き、その土地の恵みに与り、それを慈しみ、加工し、体の中に取り入れる。

それが土着である。バナキュラーである。そして、そうあるべきだ、と思う自分がどこかにいる。
できれば、そんな日常が手に入れられる街に生き続けたい。
ひょっとしたら、それが、僕たちが街づくりを続けていることの究極の目標なのかもしれない。

NIPPONIA 食事 ©創造舎

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